ジューンベリー(アメリカザイフリボク)
純白の細長い5枚の花弁を霞のように枝先に密集させて咲くジューンベリー(別名:アメリカザイフリボク)。北米北東部原産。富山県では、ちょうどソメイヨシノが散った頃に咲き、月夜に浮かびあがる花姿は美しく趣があります。 病害虫の発生が少なく、耐寒性と耐暑性ともに強く、半日陰のような場所でもよく育ちます。
その名の通り、6月に成る1cmほどの赤紫色の実は、甘酸っぱく生でそのまま食べることができます。花、実、そして、秋の紅葉が楽しめるジューンベリーは、洋風の庭のシンボルツリーとして、最近人気の樹木です。
科名 :バラ科の落葉高木
樹高 :5~10m
花期 :4月
実熟期:6月
[植え方]
ジューンベリーは腐植質に富んだ、やや湿潤した土壌を好む樹木です。乾燥した土壌では、
うまく成長することが出来ません。根鉢よりやや大きめの植え穴を堀り、完熟腐葉土をたっぷり入れて、
土とよく混ぜ合わせてから植えます。苗木の支柱は特に必要ありませんが、風当たりが強い場所に中高木を
植える場合は、根鉢がグラグラしないように、青竹で八ツ掛け支柱をします。樹高5~10mの落葉高木ですが、
実際にはなかなか太らない、比較的成長が遅い樹木です。大きめの鉢や樽などに植えて楽しむことができます。
[整枝・剪定]
剪定は特に必要ありません。 自然の樹形で育てます。前年度伸長した枝に実を付けるので、強剪定は避け、
落葉後から新芽の出る前までの12月~2月頃、枯れた枝や細い枝を整理する程度にします。
[肥料]
施肥の時期は、12月・4月・7月の年3回。
12月に元肥として、緩行性の有機質肥料(窒素7:リン酸3)を施します。
4月に実肥として、緩効性化成肥料。収穫後の7月にお礼肥として、速効性の化成肥料を施します。
知ってお得!なザイフリボクとアメリカザイフリボク
本州・四国・九州の山間部に自生しているザイフリボク(別名:シデザクラ)は、
アメリカザイフリボク(別名:ジューンベリー)と同じく、バラ科ザイフリボク属の落葉小高木です。
ザイフリボクの白い花序(花軸に付いている花の配列状態のこと)が、武将が指揮する際に用いた、
短冊状の白い紙が付いた“采配”という用具に似ていることから、「采振木」という名前が付きました。
テレビドラマなどで目にする、戦国武将が「いざ出陣!」と言って振っている、
白くて長い筒状の短冊が付いた采配は、確かにザイフリボクの花によく似ています。
また、別名「四手桜(シデザクラ)」は、玉串やしめ飾りなどに用いる白い紙“四手”に見立てて
付いた名前です。この他、“四手”という名前が付いている樹木に、
シデコブシやシデノキ(アカシデ)などがあります。
日本の山地に自生するザイフリボクの花や実は、ジューンベリーに比べて小さく、また、実は食べられません。