「海棠の眠りいまだ醒めず」。唐の玄宗皇帝が、楊貴妃を呼びに行かせたところ、お酒に酔って現れた姿を見て言った言葉です。
ハナカイドウは中国で最も美しい花とされ、花茎が長く垂れて咲くことから“垂糸海棠”と呼ばれ、美人をたとえるときに使われています。一般的にカイドウは、花の美しいハナカイドウを指し、疑似種として実の大きなミカイドウがあります。
中国原産。北海道南部以南から九州・沖縄までの広い地域で植栽が可能です。濃い紅色の蕾が、開きはじめるとほんのり淡いピンクに変わる姿は愛らしく、なるほど玄宗皇帝が美しい楊貴妃にたとえたのも頷けます。

科名:バラ科の落葉小高木
樹高:3~5m
花期:4月~5月

[植え方]
4~5月、枝いっぱいに薄紅色の花を垂れ下げるようにして咲くハナカイドウは、
洋風・和風どちらの庭にも映える可憐な花木です。春に花芽のたくさん付いた根巻き苗を購入する場合は、
根鉢のしっかりした苗木を選ぶようにします。根鉢よりやや大きめの植え穴を堀り、
完熟堆肥や腐葉土をたっぷりとすき込み、腐食質に富んだ肥沃な土壌に植えます。深植えは厳禁で、
やや高めに植え付けるようにします。根元がグラグラした状態では根が伸びだせないので、
根付くまで支柱をします。

[剪定・整枝]
花芽は前年に延びた短い枝先に付くので、それを切らないように注意しながら、
落葉後の1~2月頃に、長い枝を30cmほど残して切りつめます。

[肥料]
窒素分過多になると、徒長枝と葉ばかりが増え、ぜんぜん花芽が付かないので注意が必要です。
2月に寒肥として、株の周囲に数カ所穴を掘り、完熟堆肥+鶏糞+骨粉を混ぜ合わせた肥料をすき込み、
上から土をかぶせます。8月に燐酸とカリ分が多く、窒素分の少ない化成肥料を少々施します。

[病害虫]
ハナカイドウはカイガラムシ類が発生しやすく、カイガラムシが寄生すると樹勢は著しく衰えます。
寄生を防ぐ為には、冬期間に石灰硫黄合剤又はマシン油乳剤を散布し越冬虫を殺します。
また幼虫がふ化する5月頃は、スミチオン乳剤を散布します。

色鮮やかな無数の黄色い小花が風でそよぐミモザアカシア(別名:フサアカシア)は、オーストラリア原産。
富山県はちょうど今が咲き始め。早春を彩る洋風の庭にぴったりの樹木です。明るい粉白色を帯びた羽状複葉と、可愛らしい黄色の球形房状花序のミモザは、生け花によく利用されています。
葉が銀灰色の銀葉アカシアは、黄色い花とのコントラストが美しく、強く印象に残る品種です。
成長が早く10m以上の大木になりますが、風害・雪害で枝が折れやすいので、適度な長さで芯を止めることが大切です。
 
科名:マメ科の常緑中高木
樹高:10~15m
花期:2月~3月
 
 
 
 
[植え方]
鮮やかな黄色の花と特徴のある葉は、早春を彩るワンポイントとして、洋風の庭にぴったりの樹木です。
ミモザは、わずか50cmほどの小さなポット苗を購入しても、ほんの数年で3m以上に成長します。
成長が非常に早く、枝張りもある花木なので、高木に成長した場合を考慮し、やや広めのスペースに植えます。
土壌を選ばすやせ地でも育ちますが、樹勢よく育つためには、日当たりの良い水はけの良い場所を選ぶと良いでしょう。支柱は必要です。風雪で幹が傾きやすい為、苗木からしっかりと八ツ掛け支柱をします。

[剪定・整枝]
放っておくと、あっという間に10m以上の大木に成長しますが、拡がった枝張りの割には幹がさほど太くありません。台風や積雪などで幹が裂けたり、枝が折れたりしやすいので、管理しやすい3~4mほどの樹高で芯を止める事が大切です。初夏に花芽が形成されるため、剪定は花後すぐ行います。

花の少ない冬から早春にかけて長く咲くクリスマスローズは、耐寒性に強く雪の下でも育つ、地中海沿岸地方原産の常緑宿根草です。魅力は、カラーバリエーションの豊富さと、植える場所を選ばない丈夫さ。日陰や狭いスペースなど、条件の悪い場所に植えっぱなしでも毎年花を咲かせ、根づくと大株に成長します。
うつむきかげんに咲く花は優しさと愛らしさを感じさせ、和洋どちらの庭のウインターガーデンにもよく調和します。富山の庭植えのクリスマスローズは、残念ながらクリスマス頃には咲きません。ほとんどの品種が雪が溶け始めた早春の開花となります。
 
科名:キンポウゲ科の常緑宿根草
樹高:約0.3m
花期:1~3月
 
 
 

[植え方]
病害虫の発生が少なく、とても育てやすい草花です。
ほとんど周年、カラーラベルの付いた幼苗が出回っていますが、品種により非常に高価なものもあるので、
珍しい苗を購入する場合は、花の確認できる開花株を購入されると良いでしょう。
クリスマスローズは日陰や狭いスペースや玄関わき、花壇や鉢植えや寄せ植えなど、どのような
環境でも育てやすく植える場所を選びません。一度根づくと、後はあまり手間をかけずに成長します。
ただし、色鮮やかな花をより多く咲かせ、みごとな大株に仕立てるには、鉢植えよりも庭植えで、
夏は強い日射しを遮り風通しが良く冬は日当たりが良い落葉樹の下が、最も適した場所です。
植える適期は、開花前の10~11月または花後の3~4月。クリスマスローズは夏に葉をつけたまま
休眠状態となり、9月頃から成長を始めます。適していない時期に苗を購入した場合は、
植え付け可能な時期まで鉢のまま待ちます。また幼苗を購入した時は、すぐに庭植えしないで、
ひと冬ポットで育ててから翌年春に植え付けましょう。鉢植えは2~3年に一度、植え替えが必要です。

[開花前の管理]
冬に葉が無くても生育に影響しないので、蕾が上がる前(12月頃)に、古い葉を根元から切り取ります。

[開花後の管理]
クリスマスローズは長く開花しますが、翌年も花をたくさん咲かせる為に、
種を取らないのであれば、早めに花茎を根元から切り取ります。

[肥料]
10月~翌年4月頃まで緩行性の化成肥料又は有機質肥料の置き肥を月1回程度施します。
また5月以降の施肥は厳禁です。

 

知ってお得!なクリスマスローズをタネから育てましょ♪

花後花茎を切り取らないと、5~6月頃に直径2mmほどの種が熟します。
そのまま放置するとこぼれ種が自然に発芽することもありますが、確実に殖やすには、
落ちる前に採取します。小さな種なので、あらかじめ目の細かいネットを付けておくと便利です。

この種を乾かさないよう、ネットに入れたまま土に埋め、6~10月頃掘り出して蒔きます。
育苗箱にピートモス+バーミキュライトの混合した土を詰め種を捲き、上から種が見えなく程度に
軽くバーミキュライトで覆土し、たっぷり水をやります。

日陰で乾燥しないように管理しておくと、12~1月頃に発芽します。半月に1度薄い液肥を施し、
また徐々に日陰からひなたに慣らしながら育て、本葉が出た頃にポット等に植え替えます。
土は水はけの良いピートモス+バーミキュライトを使います。

花が少ない北陸の1月、多数の黄色い小花つけた細長い花穂を上向きに伸ばすマホニア・チャリティは、新春の庭を豪華に彩ります。
30cmほどに伸びる房状の花は、ほのかな芳香があり、初夏に青灰色い実となります。
中国原産で、マホニア・ロマリーフォリアとヒイラギナンテンの交雑品種。
濃い緑色の葉はヒイラギナンテンそのもので、耐寒性に強く、和風・洋風どちらの庭にも利用できます。
 
科名 :メギ科の常緑低木
樹高 :1~2m
花期 :12~1月
実熟期:5~6月
 
 
 
[植え方]
病害虫の発生が少なく育てやすい花木です。春または秋頃、半日陰に植えます。
乾燥する場所を嫌います。やや粘質の有機質に富む湿潤で肥沃な土地を好むので、
大きめの植え穴を堀り完熟堆肥や腐葉土たっぷりとすき込んでから植え付けましょう。
支柱は不要。鉢植え栽培も可能ですが、2~3年に一度の植え替えが必要です。

[整枝・剪定]
庭木としてコンパクトに仕立てる場合は、花後(2月頃)前年伸びた太い枝を切り落とすと、
樹形良く分岐します。

[肥料]
11~12月頃寒肥として油粕と骨粉を、4~5月頃追肥として同様の肥料を施します。

[品種]
チャリティの他に、ウィンターサンやバックランド等のマホニア種があります。いずれも園芸品種です。

「難を転ずる」に通じることから、縁起の良い木として正月飾りやお祝い事などに用いられているナンテン。
誕生祝いなどの記念樹にぴったりの樹木です。
本州中部以西、四国、九州に分布し、梅雨頃に茎の先に付ける円錐花序の白い花は、11~12月頃赤く熟します。
たわわに実った真紅のナンテンは、殺風景になりがちな冬の庭に赤いアクセントをつけます。
のど飴などでよく知られている実は咳止めの効能があり、また葉はうがい薬や入浴剤として利用されています。
 
科名 :メギ科の常緑低木
樹高 :1~3m
花期 :5~6月
実熟期:12~1月
(写真はシロミナンテン)
 
 
[植え方]
比較的病害虫の発生が少なく育てやすい樹種です。
日陰や半日陰でも育つため陰樹として扱われていますが、たくさんの実を付けさせるには、
西日の当たらない日なたに植える事が大切です。ひどく乾燥する場所は避けて、
植え穴に完熟堆肥や腐葉土たっぷりとすき込み、腐食質に富んだ土壌に植えます。
一本の幹が細い株立ちのナンテンは、数株まとめて植えたほうが、結実が良くなります。
支柱は不要。鉢植え栽培も可能です。

[整枝・剪定]
放任すると3m位まで成長しますが、庭木としては2mほどまでが適当な高さです。
伸びすぎた古い枝や細い枝は、夏に付け根から切り落とし剪定します。また、実をつけた枝は
翌年開花しないので、お正月前の生け花用に利用する際、低く切りつめると良いでしょう。

[肥料]
窒素過多になると実つきが悪くなります。2月に根元の周囲に溝を掘り、
完熟堆肥と鶏糞を混ぜ合わせたものを埋め込み、8月下旬に過リン酸石灰を施します。

[品種]
ナンテンは常緑樹ですが、冬から早春にかけて葉が赤くなる傾向があります。
果実が黄白色で葉は緑色のままのシロミナンテン、葉が小さく楕円形で花材として人気の高いシナナンテン、
紅葉の美しいオタフクナンテン、細い糸状の葉が特徴のキンシナンテン、果実が淡い紫色のフジナンテン、
橙色に熟すウルミナンテンなど、多くの園芸品種があります。

[殖やし方]
挿し木または実生で殖やせます。
挿し木は、3月中旬~下旬に、前年の生枝かそれより古い枝を15cm程度に切り、鹿沼土(小粒)に
半分ほど挿します。約3カ月で発根が確認できます。実生は、果肉を取り除いた種子を乾かさないように
注意して冷蔵庫に保管し、3月下旬頃蒔きます。発芽から開花まで5年ほどかかります。

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