ゴールデンウィーク頃に咲いた白い小さな花は、夏から秋にかけて藍黒色に熟します。目の疲れに効果があるアントシアニンを多く含んだ果実は、生でそのまま食べる事ができ、また、ジャムや果実酒などに手軽に加工できる人気の高い耐寒性に優れた果樹です。
北米東北部原産で、沢地や草原などに自生し、日本には1950年代に輸入されました。ラビットアイ系・ハイブッシュ系が有名で、それぞれに園芸品種があります。
大半の品種が自家受粉しないので、結実するためには他の品種を一緒に植える必要があります。酸性の土壌を好むため、ピートモスをすき込んだ土壌に植えます。樹高1~3mの落葉低木で、コンテナ栽培も可能です。
科名 :ツツジ科の落葉低木
樹高 :1~3m
花期 :4~5月
実熟期:7~8月
[品種]
・ウサギの目の色から名前の付いた赤実のラビットアイ系(ホームベル、ティフブルー、ウッダード等)は、
寒冷地向きで7月上旬から8月下旬頃完熟。
・青色から濃い紫色のハイブッシュ系(ブルーレイ、バークレイ、デキシー等)は、
比較的暖地向きの品種ですが、北陸地方でも充分育ちます。6月下旬から7月下旬頃完熟。
[植え方]
ブルーベリーは酸性土壌を非常に好む樹木です。日当たりの良い場所に、根鉢より大きめの植え穴を堀り、
完熟腐葉土と酸性度の高いピートモスをすき込み、腐植質に富んだ土を作り、苗木を植えます。土壌のPH値は4.5~5.5が最適。支柱は特に必要ありませんが、冬場雪の下になるような場所では枝が折れやすいので、
縄などで結束しておくと良いでしょう。また、大半の品種は自家受粉しません。実を付けるためには、
結実期の違う数種類の品種を混植することが大切です。幼苗を購入した場合、3年目位から実が成り始めます。
[整枝・剪定]
剪定は特に必要ありません。自然の樹形で育てます。前年度伸長した枝に実を付けるので、
強剪定は避け、落葉後から新芽の出る前までの12月~2月頃、枯れた枝や細い枝を整理する程度にします。
[肥料]
施肥の時期は、12月・3月・6~8月。
12月に寒肥、開花前の3月と収穫期に追肥を施します。緩行性の有機質肥料が良く、
窒素・リン酸・カリ肥料の割合は、3:6:3。市販のブルーベリー専用肥料を使うと便利です。
知ってお得!なブルーベリーが眼にいいワケ
ブルーベリーには“アントシアニン”という、紫色の植物色素が多く含まれています。
普段、私達はあたり前のように物を見ていますが、実は眼の網膜には“ロドプシン”という、光の刺激を脳に
伝達するための紫色の色素があり、外からの光がこのロドプシンに当たって初めて眼が見えるのです。
ロドプシンに光が当たって脳への伝達を終えると、ビタミンAに分解され、また再びロドプシンに
合成されます。しかし、例えば‥長時間パソコンの前に座りまばたきも忘れて画面を見つめている等々、
眼を酷使し続けているとロドプシンが少しずつ減り、眼が疲れてくるのです。
このロドプシンに働きかけ、再合成を促進させる作用を持つ大切な物質が、アントシアニンです。そこで、
アントシアニンを多く含むブルーベリーを摂取すると、眼精疲労を回復させる効果があるというワケです。
春爛漫の頃に、白や赤の花で私たちの目を楽しませてくれる花水木。今では家庭の庭や街路樹などあらゆる場所で見かけるポピュラーな花木ですが、別名「アメリカヤマボウシ」と言い、1912年に当時の東京市長尾崎行雄氏がワシントンに3,000本の桜を贈り、3年後その返礼として白花種40本が海を渡ってきたのが最初です。
花弁のように見えるのは実は4枚の大きな総包で、その中心部の雄しべのように見える黄緑色の15~20個の丸い小さな集まりが花なのです。秋には美しく紅葉し、長さ約1㎝の楕円形の赤い果実が枝先に数個集まって付きます。樹高5~12mになり、耐寒性も強く、半日陰のような場所でもよく育ちます。
科名 :ミズキ科の落葉広葉高木
樹高 :5~12m
花期 :4~5月
実熟期:10月
[品種]
本来、花水木は白花で、紅花花水木は変種と考えられていますが、いずれも原種です。
現在では、総包の赤色が濃い「チェロキーチーフ」、白花大輪種の「クラウドナイン」、
葉に黄色の覆輪斑が入る白花「レインボー」、矮性種で鉢植え向きの白花「ピグミー」など、
園芸種も数多く見られるようになりました。
[植え方]
植栽時期は、春または秋。
腐植質に富んだ肥沃な湿潤地を好むので、植える穴を少し大きめに掘り、完熟堆肥や腐葉土を
たっぷりとすき込んでから植えます。深植えは厳禁。また、根が充分張り出さない間は、
風などで倒れたりします。常に根元がグラグラした状態では根が伸びだせないので、必ず支柱をして下さい。
[整枝・剪定]
形は自然に整うのであまり必要ありませんが、込みすぎた場合は不要な枝を切り落とします。
剪定の時期は、新芽が出る前の3月頃が適期です。
[肥料]
施肥の時期は、2月・5月・9月。
2月は寒肥として、樹冠に沿って溝を掘り土を柔らかくしてから完熟堆肥や腐葉土をすき込み、
土壌の保水性や通気性を良くすることが大切です。5月と9月は、窒素・リン酸・カリがバランスよく
配合された花木用の有機質肥料を適量、根元に施します。
お客様から、「花がたくさん付いていた花水木を購入したのだけれど、
次の年から全く咲かなくなったのはどうしてでしょう?」というご質問をいただきます。
こういう場合お話をよく伺うと、ポット苗で購入され地面に植え替えたケースが多いです。生産地では
花芽の付いていない花水木を出荷しても仕方がありませんから、小さな苗木でも花芽が沢山付くように、
鉢の中にきちんと配合された肥料を与えるなどの適切な処理を行ってから市場に出回るのです。
この苗をポットから出して地面に植え替えると、これまでの環境と大きく変わるのですから、
次年度から花付きが悪くなるのは仕方の無いことです。木の大きさや環境によっても異なりますが、
1年から長くて3年くらいは花が付かない又は花数が少ないとしても、気長に待ってあげて欲しいと思います。
そこで花付きを良くするポイントですが、毎年きちんと肥料を施すことが大切です。
肥料の三大要素は「窒素・リン酸・カリ」で、窒素は葉や茎を育てる肥料、
リン酸は花や果実や種子を育てる肥料、カリは根を育てる肥料です。花や実を形成するためには、
骨粉や魚粕などリン酸を多く含んだ有機質肥料を与えると良いでしょう。