新緑の美しい野山に、白く可憐な花を枝一面に咲かせるエゴノキは、日本全国に分布する
樹高7~8mの落葉小高木です。白くかたい材は割れにくいので、お椀や将棋の駒などのろくろ細工や、
こけしなどに利用されています。また、秋に鈴なりに垂れ下がる果実の果皮は、エゴサポニンが多く含まれ、
昔は洗濯石けんの代わりに用いたことから“セッケンノキ”と呼ぶ地方もあります。
果実がとても苦く渋く、エグイ(エゴイ)ことから、エゴの木という名前が付きました。
 
科名 :エゴノキ科の落葉小高木
樹高 :7~8m
花期 :5~6月
実熟期:8~9月

 
 
[植え方]
もともと雑木林に自生するエゴノキは、樹勢があり育てやすい樹木です。
1本の幹の直径は10~15cmとあまり太くならず、根元から数本の幹が出る株立ちの樹形が多く、
日なたや半日陰のような場所に植えるとよく育ちます。根鉢より大きめの植え穴を堀り、
完熟堆肥や腐葉土たっぷりとすき込み、腐食質に富んだ肥沃な土壌に、やや高めに植えます。
八ツ掛けまたは二脚鳥居支柱をして下さい。

[整枝・剪定]
樹形は自然に整うのであまり必要ではありませんが、込みすぎた場合は、細かい枝や徒長した枝を
付け根から切り落とします。剪定の時期は、落葉後新芽が出る前までが適期です。
エゴの花は、その年に伸びた新しい側枝の先に付きます。2月頃の剪定でも花を眺めることが出来ます。

2月・9月の年2回。
2月は寒肥として鶏糞を施します。9月は油粕と骨粉を株のまわりに穴を掘り施します。

東北以南の本州・四国・九州・沖縄に分布しているヤマボウシは、初夏に白い花を咲かせ、秋は実と紅葉を楽しむことが出来る、和風・洋風どちらの庭の景にも合う樹木です。
花びらのように見えるのは、4枚の大きな総包で、その中心の25~30個集まった緑色の部分が花です。
この球形の集合果が、秋には直径1~1.5cmに赤く熟し、甘く美味しい果実となります。
総包の白色が基本種で、このほか、淡紅色のベニバナヤマボウシや、淡黄色のキバナヤマボウシ、矮性白花のミルキーウェイなどがあります。耐寒性に強く、半日陰のような場所でもよく育ちます。
 
科名 :ミズキ科の落葉広葉中高木
樹高 :5~10m
花期 :5~6月
実熟期:9~10月
 
 
 
[植え方]
強い西日の当たる場所は避け、半日陰または日なたに植えるとよく育ちます。
春または秋に購入した、根巻き苗やポット苗を根鉢よりやや大きめの植え穴を堀り、完熟堆肥や腐葉土たっぷりとすき込み、腐食質に富んだ肥沃な土壌に植えます。深植えは厳禁。支柱は必ず必要です。
根元がグラグラした状態では根が伸びだせないので、八ツ掛けまたは二脚鳥居支柱をして下さい。

[整枝・剪定]
樹形は自然に整うので必要ありませんが、込みすぎた場合は、不要な枝を付け根から切り落とします。
剪定の時期は、落葉後新芽が出る前までが適期です。
強剪定は避け、自然の樹形で育てた方が、花つきが良くなります。

[肥料]
2月頃、株のまわりに化成肥料を少量施します。

 

知ってお得!なヤマボウシ酒を作ろう♪

「え~!ヤマボウシの実って、食べれるの?」
初めて知った方はみなさん驚かれますが、そうです!ヤマボウシの実は食べられます。
富山はちょうど果実が色づき始めた頃。生でももちろん食べられますが、お勧めは果実酒です。

作り方はとても簡単です。
・ヤマボウシの果実 500g~1kg
・氷砂糖 200g
・ホワイトリカー 1.8リットル

赤く色づいた実1kgをきれいに水洗いし、ザルなどにあけて水気をきちんと切ります。
果実酒用の瓶に、氷砂糖200g、ホワイトリカー1.8リットル、ヤマボウシの果実を入れて完成です。
冷暗所で保管し、3ヶ月後位から飲むことができます。
実は1年経ったら取り出して下さい。

滋養強壮の効能があるヤマボウシ酒。今年豊作な方は、ぜひ挑戦してみて下さい。

子供の頃、夢中になって拾い集めたドングリは、落ち葉の中から新たな生命を芽吹かせ、森に豊かな自然を育みます。また、野生動物の冬越しに欠かせない大切な食料にもなります。ブナ科の樹木は、落葉または常緑の高木で、日本全土の森林に分布し、世界では十数属約600種。代表的な落葉高木は、ブナ、ミズナラ、コナラ、クヌギ、カシワ、クリ。常緑高木は、アラカシ、シラカシ、ウラジロガシ、ウバメガシ、スダジイ、マテバシイなど。柏は葉で柏餅を包み、栗はゆでて実を食べるので知名度がありますが、スダジイやマテバシイの実は生食できるし、ブナの実は乾かしてから炒ると食べられます。
 
科名 :上記写真のコナラは、ブナ科の落葉高木。
樹高 :15~20m
花期 :4~5月
実熟期:11月
左からウバメガシ・シラカシ・アラカシ・ブナ・カシワの葉。

[植え方]
春または秋に購入した、根巻き苗やポット苗を日なたに植えます。
大きめ植え穴に完熟堆肥をたっぷりとすきこみ、保水力のある土壌を作ります。もともと山の樹木なので
成長が早く、また広がる枝張りも考慮し、周りの樹木と間隔を取る必要があります。
1m前後苗木を植える場合の支柱は添柱型(1本型)、中高木を植える場合は、
八ツ掛けまたは二脚鳥居支柱をします。

[殖やし方]
実生によって殖やします。
秋に落果している実を拾い、種子に虫食い等の穴が空いていないか確認します。
分からない場合は、半日位水に浸してみます。浮いているものは発芽しません。水に浸けて
沈んだ種子は乾燥させずに、すぐに鉢や庭に浅くまきます。種子の天地が判りにくいこともあるので、
種子は必ず横にします。また、深植えは厳禁です。鉢植えの苗は2~3年に一度、植え替えが必要です。

[整枝・剪定]
強剪定は避け、込みあった枝を整枝する程度とし、自然の樹形を損なわないようにします。
剪定する際は枝の途中で切らず、必ず枝のつけ根から切り落とします。

[肥料]
特に必要ありませんが、2~3月と9月頃の年2回、
根元に油粕と完熟堆肥を混ぜ合わせたものを施すと良いでしょう。

[ドングリいろいろ]
秋に向け成長中のどんぐり。
今年は不作の年で、探すのが大変でした。

知ってお得!なブナやクヌギの枯れ葉が、いつまでも枝にくっついているワケ

ブナやクヌギやカシワは落葉高木ですが、冬になっても枯れた葉を枝に付けたままで、
早春まで落葉しません。木が枯れているのでは?と心配になりますが、よく見ると枯れた葉の間に
小さな新芽が付いているのが判ります。

このように、葉がいつまでも落ちないのは、ブナやクヌギの木の「離層」という、葉を落とすための
組織が未発達だからと考えられています。離層は落葉の前に葉柄と枝の間に出来る組織で、
落葉は加水分解酵素が働いて、離層細胞壁が分解されることで起こります。

しかし、なかなか離層が形成されないブナやクヌギは、早春新芽が膨らみ始める直前にやっと離層が完成し落葉するため、いつまでも枯れ葉を枝にくっつけているというワケです。

その名の通り黒く熟した実がケーキの上に1粒置いてあるだけで、ついつい注文してしまうブラックベリーは、ラズベリーと同じく木イチゴの仲間で、春に淡いピンクの花を咲かせます。
北陸地方では、落葉のみならず冬の間に地上部の枝が根元から枯れてしまう為、コンテナ栽培の下草に利用したり、フェンスや垣根に枝を添わせるように植え付けるとお洒落です。耐暑性・耐寒性に優れ、病害虫の発生も少ないブラックベリーは、生でそのまま食べたり、ケーキやジャム作りなどに利用できる、初心者でも気軽に栽培可能な家庭果樹です。
 
科名 :バラ科の落葉つる性低木
樹高 :50cm~1.5m
花期 :4月
実熟期:7~8月
 
 
 
[植え方]
根鉢よりやや大きめの植え穴を堀り、完熟腐葉土をたっぷり入れて、土とよく混ぜ合わせてから植えます。
植えた後は、敷きワラや堆肥などを根元にマルチングし、土壌内の水分の乾燥を防ぎます。
苗木の支柱は必要ありません。フェンスや竹垣に植える場合は、春に伸びた新しい枝を添わせるようにして育てます。樹高1m前後の落葉つる性低木ですが、実際には、絡みつくほどのツルは伸びないので、添わせる場合は誘引が必要です。

[整枝・剪定]
剪定は必要ありません。 北陸地方では、冬期間に根元から上部の枝がほぼ枯れてしまう為、
落葉後から春に新しい枝が出るまでの間に、枯れた古い枝を付け根部分から切り取っておきます。

[肥料]
施肥の時期は、2月・6月・9月の年3回。
2月は、葉や茎の生育促進肥料として窒素を多く含んだ鶏糞を施します。
6月と9月は追肥とお礼肥として、同じく窒素を含んだ油粕と、花や実を充実させる肥料として
リン酸を多く含んだ骨粉を根元に適量施します。

純白の細長い5枚の花弁を霞のように枝先に密集させて咲くジューンベリー(別名:アメリカザイフリボク)。北米北東部原産。富山県では、ちょうどソメイヨシノが散った頃に咲き、月夜に浮かびあがる花姿は美しく趣があります。 病害虫の発生が少なく、耐寒性と耐暑性ともに強く、半日陰のような場所でもよく育ちます。
その名の通り、6月に成る1cmほどの赤紫色の実は、甘酸っぱく生でそのまま食べることができます。花、実、そして、秋の紅葉が楽しめるジューンベリーは、洋風の庭のシンボルツリーとして、最近人気の樹木です。
 
科名 :バラ科の落葉高木
樹高 :5~10m
花期 :4月
実熟期:6月
 
 

[植え方]
ジューンベリーは腐植質に富んだ、やや湿潤した土壌を好む樹木です。乾燥した土壌では、
うまく成長することが出来ません。根鉢よりやや大きめの植え穴を堀り、完熟腐葉土をたっぷり入れて、
土とよく混ぜ合わせてから植えます。苗木の支柱は特に必要ありませんが、風当たりが強い場所に中高木を
植える場合は、根鉢がグラグラしないように、青竹で八ツ掛け支柱をします。樹高5~10mの落葉高木ですが、
実際にはなかなか太らない、比較的成長が遅い樹木です。大きめの鉢や樽などに植えて楽しむことができます。

[整枝・剪定]
剪定は特に必要ありません。 自然の樹形で育てます。前年度伸長した枝に実を付けるので、強剪定は避け、
落葉後から新芽の出る前までの12月~2月頃、枯れた枝や細い枝を整理する程度にします。

[肥料]
施肥の時期は、12月・4月・7月の年3回。
12月に元肥として、緩行性の有機質肥料(窒素7:リン酸3)を施します。
4月に実肥として、緩効性化成肥料。収穫後の7月にお礼肥として、速効性の化成肥料を施します。

 

知ってお得!なザイフリボクとアメリカザイフリボク

本州・四国・九州の山間部に自生しているザイフリボク(別名:シデザクラ)は、
アメリカザイフリボク(別名:ジューンベリー)と同じく、バラ科ザイフリボク属の落葉小高木です。

ザイフリボクの白い花序(花軸に付いている花の配列状態のこと)が、武将が指揮する際に用いた、
短冊状の白い紙が付いた“采配”という用具に似ていることから、「采振木」という名前が付きました。
テレビドラマなどで目にする、戦国武将が「いざ出陣!」と言って振っている、
白くて長い筒状の短冊が付いた采配は、確かにザイフリボクの花によく似ています。
また、別名「四手桜(シデザクラ)」は、玉串やしめ飾りなどに用いる白い紙“四手”に見立てて
付いた名前です。この他、“四手”という名前が付いている樹木に、
シデコブシやシデノキ(アカシデ)などがあります。

日本の山地に自生するザイフリボクの花や実は、ジューンベリーに比べて小さく、また、実は食べられません。

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